1.野口整体の創始者、野口晴哉先生
まずはこの本の著者「野口晴哉のぐちはるちか」先生(1911~1976年)について。
「整体」という言葉・概念を作った人ですが、いわゆる「マッサージ」や「矯正」ではなく
身体に気を通すことで治療を行っていらっしゃいました。
大正十二年、十二歳の時に関東大震災を体験し、焼け野原で苦しむ人たちが悼まれず、本能的に手をかざしたところ多くの人たちが快復、これをきっかけに治療家としての道を志す。
公益社団法人整体協会「野口晴哉について」より抜粋
古今東西の健康法や療術などを独自に探究し、十五歳で入谷に道場を開き、愉気と活元運動を主体とした療術団体「自然健康保持会」を設立。
その後は「整体協会」へと発展をとげ、今も広く活動が行なわれています。
私も30年近く、整体協会のお世話になっています。
とにかく整体界?のレジェンド…というか…数々の伝説が残る
すごい先生だったらしいんですよ~。お会いしてみたかったなぁ。
身体と心、潜在意識の関連性について深く探究されていた方です。
身体の症状だけではなく、各個人が抱えている心の問題にも焦点を当てる事を
実践していらっしゃいました。
2.どうして風邪を引く?
そんなレジェンドが書かれた「風邪」の本とは…
どんな内容なんでしょう?
実は野口先生が色々な病気を治療する中で、一番難しいと感じていたのが風邪。
「つかみどころがない」んだとか。
そもそも「風邪はうつる」と思われがちですが、同じ環境にいても
かかる人とかからない人がいますよね。なぜなんでしょう…?
確かに。予防してもワクチンを打っても引く時は引くし
引かない時は引かないよね。
さあ、なぜなんでしょう?
だんだん某テレビ局の「〇コちゃんに叱られる!」みたいになってきましたが(笑)
野口先生の答えはこうです。
「風邪はうつらない。風邪を引くのは、その人の身体に風邪を引く事情があるから!」
いよいよ謎めいてきましたが、実は身体の偏り疲労が限界に達した時、その人の身体が
偏りを調整するために風邪を引く…というのが野口先生の見解。
「風邪を引くことは身体にとっての治療行為だ」とまでおっしゃっています。
だから治そうとするのではなく、自分の身体を観察しながら「経過」するべきだ、と。
むしろ風邪も引かないのは「にぶい」身体で、大きな病気をしないためには
時々、風邪を引く方が安心…なんだそうです。
3.風邪はどうやって経過する?
それでは、ここで風邪の経過方法の一部をご紹介しておきましょう。
風邪の経過について
①体を緩(ゆる)める 寝ているだけではなく偏り疲労を取るための運動を。
②冷やさない かいた汗を冷やさない。発熱しても冷やさない。
③温める 後頭部を温める、足湯をして身体を温める。
④発汗を引っ込めない 乾いたタオルでよく拭く
さらに大事なポイント!「急処」とは…?
・平温以下の時期を安静に過ごすこと。
・平温に戻ったらすぐに起きること。
・水分を多めにとる。
発熱している状態から熱が下がり始める時。
身体もラクになり、急に安心して動き始めたりしがちです。
ところが平熱にもどる前には、「平熱以下」を経過。
この平熱より低くなった時期にこそ安静にすることが大切で、ここで無理を
すると身体をこわしてしまうので要注意。
平熱以下になるなんて想像したこともなかったよ。
キモに銘じておこう。
それから「風邪は身体の片側ずつ引く」らしいです。
身体の右側→左側…のように順番に引く、と。
こういう発想、した事もありませんでした~。びっくりです。
目からウロコなご指導は他にもたくさん。
「経過の仕方」をもっと詳しく知りたい方はぜひ本編で。
4.風邪の「効用」
野口先生は、人間が本来持っている、自然の力で生活することの大切さについて
繰り返し述べていらっしゃいます。
風邪に限らず、発熱や下痢、嘔吐…も同じ。
症状を抑え込む、無くすのではなく「身体の掃除」「デトックス」として考える。
「身体にとっての必要な反応」というのが野口先生の教えです。
そして風邪を上手に「経過」した後には…
「脱皮した蛇のように新鮮な身体に生まれ変わる」そうです!
なるほど、これが風邪の「効用」かぁ。
そう考えると風邪を引くのも悪いことばかりじゃないんだなぁ…
って思える。
5.まとめ
「風邪の効用」は「整体協会」の創始者、野口晴哉先生の著作です。
出版されたのは昭和37年(1962年)ですが、今もなお…いや、今だからこそ
必要なモノの見方を教えてくれる一冊です。
・人間が本来持っている身体の力を信じること。
・風邪は「治そう」とするのではなく「経過」すること。
・上手に「経過」した後には「スッキリと新しい」身体に生まれ変われる。
風邪の種類(症状別、季節別)などについても詳しく書かれています。
多くの人の身体に手を当て、探究されていた野口先生ならではの風邪の本。
健康だけでなく、生き方についても…新しいモノサシをゲットできるかも。
今回引いた風邪はメチャクチャしつこくて…経過するのに
だいぶ時間がかかりました。「脱皮」できてるといいんだけど。(笑)
「風邪の効用」も参考にしつつ、皆様もお元気でお過ごしくださ~い!
こんにちは。「まな♪まな」管理人の「えつ」です。
先日、久し振りに風邪を引きました。そこで引っ張り出してきたのが、
野口晴哉(はるちか)先生の著作、「風邪の効用」です。
風邪にはどんな種類があり、どんな時に風邪を引くのか?
そして引いた場合はどうすればいいのか?
風邪について知りたい方はぜひお読みください。