もくじ
- 手作り味噌の簡単レシピとチェックポイント
- 配合を知る 味噌の公式?
- 仕込みの手順
- 失敗しないためのコツ
- 手作り味噌を楽しむ
- 食への意識が高まる
1.手作り味噌の簡単レシピとチェックポイント
味噌の材料は「麹」「大豆」「塩」の3つだけです。
しかも材料を混ぜ合わせて寝かせておくだけ。とてもシンプルです。
今回は少量で簡単に作れるレシピをご紹介します。参考にしてください。
~簡単少量レシピ~
米麹:200g 煮大豆:500g あら塩(自然塩):100g
この3つがそろえば味噌が作れます。少量なので大きな樽(たる)や鍋も不要です。
まずは仕込み前のチェックポイントから確認していきましょう。
麹はスーパーで入手しやすい「米麹」を用意します。
1袋200~300gなので、この分量を基準に他の材料をそろえます。
300gの米麹を買った場合は、煮大豆とあら塩も1.5倍の分量を用意してね。
大豆を煮るのがハードルに感じる人は市販の煮大豆を使おう!
無塩で国産大豆がオススメだよ。
用意する道具
・保存容器は容量800ml~1Lを目安にプラスチックやガラス容器、ジップロックもOK
・キッチンスケール
・すりこぎ、ボール
・消毒用アルコール(スプレータイプが便利)か35度以上の焼酎
2.配合を知る 味噌の公式?
昔ながらの味噌の配合をご紹介しますよ!
「麹1:大豆1:塩0.5」
ここで注意ポイントが1つ!「大豆1」は乾物の大豆を意味します。
・乾物の大豆は煮ると2.2~2.5倍の重量になります。
つまり実際に混ぜ合わせる時は麹1に対して「煮大豆約2.5」が必要です。
今回のレシピで米麹200gに対して2.5倍の「煮大豆500g」となっているのは、そういう理由です。
味噌の塩分濃度は12~13%が一般的です。
このレシピで計算すると、100÷(200+500+100)=12.5%
塩分濃度が12.5%の味噌になりますね。
材料がそろったところで次に仕込みの手順をご紹介しましょう。
3.仕込みの手順
【1】煮大豆をつぶす
煮大豆をつぶしてペースト状にします。
ビニール袋に入れて上から手、またはすりこぎでつぶすのが簡単です。
フードプロセッサーなどを使用するとスピーディでなめらかに仕上がります。
【2】麹と塩を混ぜ、つぶした煮大豆を加える
麹に塩をよく混ぜ込みます。これを塩切麴(しおきりこうじ)と言います。
この塩切麹に、ペースト状にした煮大豆をよく混ぜ込みます。
※自分で大豆を煮た場合は煮大豆がひと肌より低い温度になってから混ぜます。
温度が高すぎると麹菌が死滅してしまい、発酵が進みません。
ハンバーグのタネのように、丸めてお団子が作れる固さが理想だよ。
パサバサしていたら大豆の煮汁や水で加減してね。
【3】消毒した保存容器につめる
プラスチックやガラスの保存容器はアルコールで消毒してから使用します。
新品のジップロックを箱から出した場合はそのままで。
できるだけすき間ができないように小さな味噌団子を作り、隅から詰めていきます。
【4】平らにならして保存
できるだけ平らにならし、空気を抜いて口を閉じます。
プラスチックなどの容器の場合は上から押し、平らにならします。
空気との接触が多いほど、カビ発生の原因に。
二重にしたビニール袋の中側に砂利をつめて、容器のすき間をふさいでおくのも1つの方法です。
【5】熟成
直射日光を避け、15~30℃の室内で保存します。
できれば目につきやすい場所に置いておきましょう。
日々、熟成の経過を観察していればカビの早期発見にもつながります。
半年以上寝かせるのが理想ですが、2~3か月後からでも充分に食べられます。
4.失敗しないためのコツ
失敗しないためのコツやウラ技がいくつかあります。
これを覚えておくとさらに安心です。
1)塩分濃度10~15%を守る
塩分濃度は10~15%の範囲内に納めます。
減塩をし過ぎると腐敗やカビの原因になります。また、塩分が多過ぎても
発酵がうまく進みません。
まずは塩分濃度の計算をお忘れなく。
2)カビを避けるために
熟成期間にどうしても気になるのが、カビの問題です。
「カビは取り除けば大丈夫」と言われていますが、できれば生やしたくないもの。
「塩分濃度」と共に大切なのが「空気の遮断」です。
仕込んだ味噌と容器の間にすき間があると、どうしてもカビが生えやすくなります。
方法はさまざまありますが、私の一番のオススメは「酒粕さけかす」です。
仕込んだ味噌の表面を酒粕でおおってしまいます。
板状の酒粕を薄く延ばし、味噌の上に密着させておくのです。
仕上がり後は酒粕を取り除きます。もちろん、酒粕も捨てずに活用しましょう。
少量の味噌と混ぜて漬け床にしたり、味噌汁に入れることもできます。
カビ対策には「酒粕でフタ」がとにかくオススメで~す。
3)納豆菌には注意しよう
納豆菌は生命力が強く、100度になっても死滅しないほどタフな菌と言われています。
発酵は菌同士の陣取り合戦です。味噌の発酵に関わる麹菌、乳酸間、酵母を守るため、納豆菌が大豆に付かないように気を付けましょう。
味噌を仕込む前日からは納豆を食べないようにしよう!
5.手作り味噌を楽しむ
「手前味噌」という言葉があるくらいですから、自分で作った味噌には愛着がわき、おいしさもひとしおです。
■アレンジを楽しむ
塩分濃度さえ守れば、配合は自由にアレンジすることができます。
麹は甘味、大豆はうま味の元になります。
これをふまえて「麹の種類を変える」「麹を倍量に」「大豆にカボチャやイモを混ぜる」など自分好みのレシピも作れるようになるのも楽しみの1つに。
■経過観察を楽しむ
仕込んでから、熟成していく過程を見るのは実に楽しいものです。
味噌の発酵に関わる麹菌、乳酸菌、酵母の働きによって、色、香り、状態……とさまざまな変化を観察することができます。
ちなみに熟成中の微生物たちの働きを見てみると……
1)まず麹菌が大豆のタンパク質をアミノ酸に、米のデンプンを糖に分解。
2)次に乳酸菌が糖から乳酸を生成。 ここまで熟成が進むと色や香りに変化が現れ始める。
3)最後に酵母が乳酸から二酸化炭素とアルコールを生成する。 味噌特有の香りが生まれる。
味噌の中で活躍する微生物たちに想いを馳せながら……
熟成の経過も楽しんじゃいましょう。
6.食への意識が高まる
手作りするメリットはまだあるんですよ~。
食や健康への意識が変わってきます!
食材をそろえて自分で作ることで食材の生産地、添加物や遺伝子組み換えの問題など、多くの気付きを得られます。
市販の味噌を購入する際にも、原材料に目がいくように。
麹、大豆、塩以外の原材料表示がある場合は添加物の可能性があります。
出汁、酒精、調味料などがその例です。
市販の味噌の中には麹の入っていない商品も。
何をポイントに食品を選ぶのか。価格、安全性、それとも使いやすさなのか。
食への価値観を見直すきっかけになるかもしれません。
最後に「おさらい」だよ。
味噌の基本 味噌の材料は「麹、大豆、塩」の3つです。
簡単に作るためのポイント3つ
・まずは少量から作る
・塩分濃度を計算する
・カビ予防には酒粕でフタ
糀屋本店さんの「味噌作り用の煮大豆」がオススメです!
これさえあれば、簡単に作れます!
もっと簡単なのが「手作り麦味噌セット」
私も作ってみましたが、簡単、安心、おいしいの3拍子。
初めての方に特におすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは。管理人「えつ」です。毎日、発酵食を楽しんでいます。
今回は手作り味噌の簡単な作り方をまとめてみました。
機会があったら作ってみたい人にオススメの記事です。