こんにちは。「まな♪まな」管理人、「えつ」です。
聖徳太子の没後1400年を記念した「聖徳太子 日出づる処の天子」展が
六本木のサントリー美術館で開催されています。
会場に足を運ぶと「あ~、歴史の教科書とか資料集で見たなぁ。」と
思わず懐かしくなる重要文化財や太子の人物像に迫る資料・文献で
いっぱい。
2022年1月10日(祝)までの会期です。是非、お出かけください!
1.開催期間・会場アクセス
「聖徳太子 日出づる処の天子」
会場:東京ミッドタウン「ガレリア」3F サントリー美術館
千代田線「乃木坂」駅 / 日比谷線,大江戸線「六本木」からのアプローチが
便利です。
会期:2021年11月17日(水)~2022年1月10日(月)祝 ※火曜休館
開館時間:10:00~18:00 チケット:1500円 事前予約せず、当日券が買えました。
「ガレリア」の店舗が11時オープンのため、10:00~11:00 の間はガレリア1Fから
アプローチする必要があります。
私は乃木坂駅の3番出口「東京ミッドタウン」から出て、目の前に見える外苑東通りを
5分ほど歩きました。
乃木坂駅前郵便局を過ぎ、赤坂9丁目の派出所が見えたら、すぐです。
2.聖徳太子を思い出そう
「そもそも聖徳太子って・・・どんな人だったっけ?」
歴史上の人物の中では、かなりの知名度。日本人にとっては親しみのあるお方では?
ちょっと思い出しておきましょう。思いついた事を黒板に・・・
こんな感じです。聖徳太子が一万円札の顔だった(1958~1986年)のは、かなり現実的な思い出ですが、今やその歴史を知らない人も多くなりつつありますねぇ。
諭吉さまに切り変わったのは1984年だそうで、そう考えれば納得。
(その諭吉さまも2024年には栄一さまに交代ですよね。引退間近、お疲れ様~!?)
他に思いついたのは、いわゆる日本史の時間に習ったことや伝説的なものでした。
それから私にとっては外せないのが、山岸涼子先生の「日出処の天子」という聖徳太子を主人公に描かれた少女コミックです。
この作品は1980年~1984年にかけての連載でしたが、かなりの衝撃・・・
というかハマってましたね~。
少女漫画でありながら歴史漫画。史実に沿いながらも描かれる、太子の美しさ、妖しさ、超能力の数々。さらには1980年代に既にBL(ボーイズラブ)の世界観までが描かれて
いたという・・・
多面性のある内容です。今の時代にこそ。大人の皆さん、興味のある方は是非!
さて、太子のことを思い出したところで展示内容をご案内しましょう。
3.展示内容 4つのエリアとテーマ
展示内容は以下の4つのエリアに分けられています。
第一章 聖徳太子の生涯 -太子の面影を追って
このエリアでまず目を惹かれるのは「聖徳太子絵伝」という非常に大きなサイズの
絵画です。
一幅が、たたみ畳1~2畳くらいはあるでしょうか。
太子の誕生から亡くなるまでのエピソードの数々を1つの絵の中に表現しています。
同じ内容・スタイルの「絵伝」がいくつものバージョンで存在するのですが、
描かれた年代も異なり、所蔵している寺社もさまざまです。
この「絵伝」の元になっているのが「聖徳太子伝暦-しょうとくたいしでんりゃく-」という
伝記です。
聖徳太子の超能力者ぶりについて書かれた興味深い伝記です。
二歳で「南無仏」と唱え、七歳で経典を読破・・・二十七歳の時には愛馬の黒駒で
富士山頂まで飛翔・・・!?とにかく超人エピソードが満載です。
第二章 聖徳太子信仰の広がり -宗派を超えて崇敬される太子
「南無仏」と唱えた二歳像から始まり、太子の少年時代をテーマにした「童形像」が
多く見られました。
飛鳥・奈良時代の少年の髪型は、いわゆる「みずら」(美豆良)いうヘアスタイルです。
ツインテールのような、こんな髪型です。
幼児~少年を始め、多くの太子像が残されているのも、太子が「信仰の対象」として
崇敬されるようになったためです。日本に仏教を広めた功績から「観音菩薩の化身」
という見方もされていたようです。
第3章 大阪・四天王寺の1400年 -太子が建立した大寺のあゆみ
聖徳太子が推古天皇の摂政になった年に建立(593年)されたのが大阪市にある四天王寺です。
日本に仏教を広める礎になったお寺で、この1400年の間に何度も焼失していますが、そのつど不死鳥のごとく復活、再興されています。
このエリアでは四天王寺所蔵の資料・文献を含め、国宝「四天王寺縁起」や重要文化財の仏像も多数展示されていました。
第4章 近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ -つながる祈り
明治時代以降は、太子の「政治家」としての能力に注目がおかれるようになりました。
若干、二十歳で摂政として「政治改革」で実績を上げたお方ですから。
それは、わかりますよね。
十七条憲法の第一条「和を以て貴しとなす-わをもってとうとしとなす-」は日本人の価値観に
根付いている言葉でもあるのでは?
そんなわけで、ここでは新しい時代の太子像が取り上げられており…
はい、ありました!山岸先生の 「日出処の天子」 も多くの作品が置かれていました。
山岸ファン、必見です!
また、太子のお札の展示があり、興味をひきました。
(金種:百円・千円・五千円・一万円)
なんと1930~1986年の間、7種類ものお札に描かれており、聖徳太子は
「日本のお札に最も多く登場した人」だそうです。
4.印象に残った展示
幼少期を題材にした肖像画、立像などが多く、印象に残りました。
二歳像も確かに「ふっくらしたおてて」で合掌しているんですが、表情は
めちゃくちゃ大人。
十六歳の像もクールな大人の雰囲気…というか、むしろ厳しい、険しいお顔をされて
いました。
やはり太子への崇敬、信仰があるからこそ、この厳かな表情なんでしょうね。
「もしかしたら太子自身も幼い頃から既にご自分の厳しい人生を悟って
いらしたのかな…」
そんなことも想像しながらお顔を拝見していました。
太子の死亡年は621年-622年(49-50歳)と諸説あり、死因も疫病説・暗殺説など
あるようで謎につつまれています。
「そもそも太子は実在しない説」もありましたが。
太子の亡き後、息子の「山背大兄王-やましろのおおえのおう-」は蘇我入鹿に殺害されて
しまいます。
「和を以て貴しとなす」この言葉をかみしめながら会場を後にしました。
5.グッズコーナー
美術館グッズ定番のポストカードやクリアファイル、マグネットなどの販売が
ありました。
ちょっとぼやけ気味の写真でスミマセン。
太子の二歳像がキャラクター化されていたのが目を惹きました。
左の写真のトートバッグ、右は同じキャラクターのついた「塩飴」です。
おいしいのかなぁ。
もちろん、山岸先生の太子グッズも!
(塩飴の上段に、これまたぼんやり写っています。)
ポストカードとマスクケースをゲットしました。
6.まとめ
・開催中の「聖徳太子 日出づる処の天子」展は「サントリー美術館」で2022年1月10日までの会期。
・開館時間10:00~18:00、火曜日は休館です。
・当日券:1500円 事前予約がなくてもOK(2021年12月12日時点)
私達がよく知っているようで、実は謎に包まれた部分も多い、聖徳太子。
その「謎」の部分も含め、改めてその魅力に触れました。
「もう少し、事前に人物相関図を予習しておけば良かったかな。」とも
思いました。
お出かけの際のご参考まで。
名前はよく知っているけれど実在していたのかな~、と思っていました。記事を読んでいてちょっと行ってみようかと思います。