1.名作文学コレクションとは?
「てのひら図書館」はその名の通り、名作文学作品をモチーフにしたシールです。
印象的な一場面を切り取ってシールにしています。
どんな作品のどんな場面…?
第1弾のラインナップはこんな作品たちです。
あ~、どれも懐かしくて好きな作品だったな~。
音楽もそうだけど子供の頃に触れた作品って、思い出すとその時代に
さっとタイムスリップできるような気がするなぁ。
販売しているのは(株)カミオジャパン。
ファンシーグッズを中心に扱う会社ですが、シールだけでもかなりの種類を扱っています。
「てのひら図書館」第1弾シリーズから
「蜘蛛の糸・羅生門」「吾輩は猫である」を買ってみました。
ちょっとこの写真、わかりづらいかもしれませんが…
すべてのシールが「コットン紙」という柔らかい手触りの紙を使っています。
その上にきれいな彩色と金箔押し。
どれも「てのひら」に乗るほどの小さなシールですが
1つ1つが丁寧に作られている事がわかります。
まさに小さなアート。
色彩の美しさと高級感もあり、大人の心をキャッチします!
「てのひら図書館」の魅力をもっと詳しく見てみましょう。
2.「蜘蛛の糸」と「羅生門」
まずはこちら。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」と「羅生門」です。
シールのモチーフにするにはハードなんじゃ?
台紙上の方が「蜘蛛の糸」下の方が「羅生門だね。
そうです、なかなかハードです。(笑)
「蜘蛛の糸」は極楽浄土と地獄が舞台でした。
そして登場人物はお釈迦様と罪人のカンダタです。
このお話、子供の頃に何度も読んで想像をふくらませてたなぁ。
極楽浄土に咲く美しい蓮の花があったかと思うと…
血の池地獄でウヨウヨする罪人たち。
これが全部シールで表現されている面白さ。
さらにこの場面。わかりますか?
写真左側が血の池地獄から蜘蛛の糸をつたって脱出しようとするカンダタ。
右側は線香花火かと思いきや、蜘蛛の糸が切れた瞬間ですね。
大きな手はお釈迦様の手だったんですね。
血の池地獄シール…どこに貼る~?(笑)
「羅生門」もシチュエーションはかなり暗めです。
なんせ登場人物は「下人げにん」と「老婆」ですから。
死体から髪の毛を引き抜いてかつらを作る老婆のシール。
老婆から着物をはぎ取って暗闇に消えていく下人の後ろ姿シール。
これまたマニアックの極みですよね!
でも、このシールを1枚1枚見ていると物語の情景がくっきりと浮かんで
くるから不思議です。
物語のラストを印象付ける、この一言までもがシールになっていました。
「下人の行方は誰も知らない」
3.「吾輩は猫である」
次に夏目漱石の「吾輩は猫である」を紹介します。
この作品が好きな人は多いのでは?
作品に思い入れが無くても猫好きな人なら欲しくなりそうなシール。
こちらは、色彩も明るめでコミカルな雰囲気もあります。
こんな風に豆本風にして物語と挿し絵が描かれたシールも。
冒頭の有名な「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」から始まる段落が
原文のまま書かれています。
ただしあまりにも小さい文字なので…大人になるほど読めません…(笑)
1つ1つがアート、作品として作られている事がわかり、愛着がわきます。
やっぱりもったいなくて使えないよ~。(笑)
ふと気になったのは台紙下の左側「ありがたいありがたい」という言葉と水の中で
丸くなる猫のイラストです。
「ありがたい?こんな場面あったっけ?」
初めはピンときませんでした…
調べてみたら物語ラストの一文であることがわかりました。
主人たちの飲み残したビールを飲んだ「吾輩」は酔っ払った勢いで水がめの中に
落ちてしまいます。
どこまでもドライな「吾輩」の最後のセリフがこれでした。
吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。
太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい。
夏目漱石「吾輩は猫である」より
豆本シールにも書かれていた冒頭の一文は有名なので覚えていましたが
この最後のセリフはすっかり忘れていました。
この話を読んだのは小学生だったと思います。
その頃はたいした感慨もなく、読み終えていたのかもしれません。
今、読んだらまた違う風景が見えるんでしょうね。
4.まだまだある図書館シリーズ
名作文学コレクションシリーズは他にもあります。
第2弾はこちらです。
ちなみに私は「人間椅子:江戸川乱歩」「桜の樹の下には:梶井基次郎」は
読んだことがありませんでした。
シールから影響を受けて読書してみるパターン…もアリですね。
宮沢賢治作品は「セロ弾きのゴーシュ」「どんぐりと山猫」と2作品あります。
第1弾にも「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」が入っていました。
宮沢賢治の作品には幻想的で独特の世界観があり、「てのひら図書館」が表現
したいイメージと一致するんでしょうね。
ちなみに「図書館シール」ではなく「図書館ふせん」シリーズもあります。
「銀河鉄道の夜」はこんな感じです。ステキですね。
まだまだ心に残る作品、情景が浮かぶ作品はたくさんあります。
宮沢賢治も今から読み直したいです。
「てのひら図書館」シリーズがもっと増えてくれるといいな~。
ときどき眺めて癒された~い!
個人的には小川未明の「赤い蠟燭ろうそくと人魚」、小泉八雲「耳なし芳一」とか…
上田秋成「雨月物語」なんかもいいですね。どんなシールになるでしょう?
あれ、なんだか怪異系?の話ばかりになっちゃいました。(笑)
5.まとめ
- 「てのひら図書館」は名作文学をモチーフにしたアートでマニアックな
シールです。
子供の頃に読んだ名作の一場面が美しいシールになってよみがえります。 - 販売しているのは(株)カミオジャパン
「てのひら図書館」以外にも大人のマニアックな「推し心」を満たすシール、
文具類を扱っています。
文房具好きな人は是非サイトも見てください! - シール1つ1つはかなり小さいサイズですが、素材や仕上げ感の美しいもの
ばかりです。美し過ぎるので…使わずにいつまでも見ていたくなります。
シールを見ているうちに読みたい本がどんどん出てきちゃいました。
なんだか子どもの頃の懐かしい思い出もよみがえりそうです。
どこかで見かけたら是非、手に取ってみてくださいね。
こんにちは。管理人の「えつ」です。
子供の頃からシール好きです。気に入るととりあえず買っちゃうタイプ。
そんな私の最近のお気に入りは「てのひら図書館」です。
子どもの頃に読んだ文学作品をモチーフにしたアートなシール。
マニアックで大人向けです。シール好きな人、読書好きな人におススメします!