蓮にまつわるよもやま話

蓮の話アイキャッチ
えつ

こんにちは。「まな♪まな」の管理人「えつ」です。
今回は「蓮はす」をテーマにあれこれと書いてみました。
皆さんは「はす」って聞いて…何をイメージしますか?
「斜はす」に構えず、楽しく読んでいってくださ~い!?

1.仏教とつながりの深い「蓮の花」

私は「蓮の花」が好きです。
いつからかなぁ…と思うと…ちょっと悩みます。

えつ

家の周りで見かけることもないし…
花束に「蓮」が入っていたこともないしねぇ。(笑)

そう言えば…仏壇には蓮の花がありましたよ。
金色の…これ、「常花じょうか」って言う仏具なんですね。

仏壇の蓮
なすのごとく

えっ、まさかコレが好きだった訳じゃないよね?
蓮は仏教とのつながりが深い花だよ。

「泥中の蓮~でいちゅうのはちす」という言葉があります。
仏典(維摩経ゆいまきょう)の一文です。

蓮は泥水の中で生まれながらも、その泥に染まることなく美しい花を咲かせます。
「どんなに劣悪な環境にあってもそれに影響されずに清く生きる」
というたとえです。

「蓮:はす」はもともと「蜂巣:はちす」と呼ばれていました。
蓮の実が蜂の巣に似ていることが由来です。

この言葉を知ったのは高校時代でした。
当時、書道部員だった私は「書くネタ」を探しており…
たまたま「泥中の蓮」を見つけました。

能天気な高校生でしたが、「いいなぁ、この言葉!」と思い練習に励んだ覚えがあります。

泥中の蓮イラスト

もしかすると
「泥中の蓮」…この言葉を知ったことで
「蓮」に愛着がわくようになったのかもしれません。

2.「れんこん」と「はす」

美しい花と仏教の世界観もさることながら。

やはり「はす」と言えば「れんこん」ですよね。
手軽に料理に使えておいしいれんこん。大好きです。

実はいつも不思議に思っていた事がありました。
昭和10年生まれの父の言動。

えつ

なぜか「れんこん」の事をいつも「はす」って言うんです!(笑)

つまり、こんな感じ。

れんこんのきんぴら

①れんこんのきんぴらを作って食卓へ。

②父、きんぴらを食べる。

③決まって「はす、おいしいね。」と言う。

いつもこの繰り返し。(笑)

「なんでわざわざ、はすって言うのかな」と思っていました。

もしかして年代的なモノ?と思いましたが、そうでも無さそう。

ところがつい先日、このナゾが解けたんです!
NHK放送文化研究所のサイトでこんな記事を発見。

「はす(蓮)」のことを日本各地でどう呼ぶか、ということについて見てみると、
「植物」としての呼び名が「はす」、「地下茎(食べる部分)」が「れんこん」、
という使い分けをしている地域が多いようです。
ただし東京では、「はす」ということばで「植物」だけでなく「地下茎」のことも
指し示してきた習慣があると言われています。これは、「東京の方言
(的なことばの使い方)」の1つだと言えるでしょう。

NHK放送文化研究所「最近気になる放送用語」より

そう言えば…父は東京の出身でした。東京にも方言があるんですね~。

そして私のように疑問に思っていた人が他にもいたんですね。
ちょっと、すっきり。

れんこんとハスは同じ


ついこの間も、スーパーのおせち売り場で「酢ばす」と
書いてある商品が目にとまりました。
「酢れんこん」じゃなくて「酢ばす」でした。

なすのごとく

やっぱり「れんこん」を「はす」って呼ぶ地域はあるんだね。

3.京都で出会った美しい蓮

昨年(2022年)の夏、久し振りに京都を訪れました。
旬をやや過ぎていましたが、天龍寺で美しい蓮の花に遭遇。

天龍寺のハス


きれいなピンクの大輪でした。
水中からすくっと立ち上がるようにしていました。
蓮は1つの茎に1つだけ花をつけます。

ご覧の通り、葉も大きくて美しく、独特の存在感。

えつ

まさに「泥中の蓮」
「どこで咲いても私はワタシ」と言ってました~。

京都ではさらに「蓮」にちなんだ寺院にも出かけました。
東山の「青蓮院門跡しょうれんいんもんぜき」です。

蓮の「襖絵ふすまえ」が見たくて訪れました。
(襖絵のあるお部屋は撮影OK。)

2005年、壁画絵師「木村英輝きむらひでき」さんがアクリル絵の具で
描かれた作品で、その数なんと襖絵60枚!

青蓮院門跡の襖絵
作品名「極楽浄土」の奥に「生命賛歌」


開け放たれた襖の向こうには庭園の緑が映え…
静寂の中、幻想的な世界に引き込まれます。

ハスの襖絵
作品名「青の幻想」


作品名は「蓮三部作-青の幻想/生命賛歌/極楽浄土」
3つの異なる「蓮World」が展開します。

祇園、東山方面にお出かけの時に是非おでかけください。
天台宗 青蓮院門跡 
所在地:京都市東山区粟田口三条坊町69-1
拝観料:500円

木村さんの蓮グッズのオンラインショップはこちらから

4.花が枯れると「集合体恐怖症」に?

美しい蓮の絵を見ていただきましたが…

えつ

実は蓮のコワ~イ、一面(!)をご存知ですか?(笑)

コワイと言うか…ちょっと不気味な「蓮の実」
見たこと、ありますか?
人によっては「集合体恐怖症」に陥るかも!?

蓮の花が枯れた後に出現する「花托かたく」という部分。
下のイラストの「シャワーヘッド」みたいな…コレです!

ちょっとコワイ蓮の実

このイラストぐらいの大きさのうちはまだ怖くないんですが
だんだん巨大化してきて、穴の中に実が成りだします。

なすのごとく

なんだか1つひとつの実が「目」に見えてくる~。
ゾワゾワするっ~。

怖いので写真は載せません。(笑)
「ブツブツ恐怖症」でなければ探して見てください。

でも蓮の実は食用にもなり、栄養価も高いようですよ。

こんな風にいろいろな姿を見せてくれる「蓮」は
やはり私にとって特別な花です。

5.まとめ

えつ

今回は「蓮」にまつわるエピソードをご紹介しました。

  • 「泥中の蓮でいちゅうのはちす
    汚れた環境の中にいても、それに影響されずに清らかさを保っている事。
    「自浄する力は自分の中にある」「自分の心の持ち方次第」というたとえ。
  • 地下茎の食用部分を「れんこん」と呼ぶのが全国共通の表現ですが、東京を中心に
    「れんこん」を「はす」と呼ぶ地域もあります。
  • 京都東山の「青蓮院門跡」では美しい蓮の襖絵を鑑賞することができます。
    作者は壁画絵師「木村秀揮」さん
    青蓮院門跡公式ホームページ
  • 還暦から絵師になった異色のアーティスト「木村英揮」さん
    ホームページはこちら Ki-Yan キーヤンオフィシャルサイト
  • ちょっと不気味な「蓮の実」
    集合体恐怖症~ブツブツ恐怖症?の方はご注意を!?

れんこんはいつでも買えるイメージですが、旬は秋~冬です。
おいしいこの時期にたっぷり食物繊維を摂りましょう~!

「れんこん 毎日おいしいレシピ」も参考に。
(…やっぱり「はす」って書いてない…)