「和空法隆寺の語り部ツアー」2025 ふたたび編

2025和空アイキャッチ
えつ

こんにちは。先日、奈良の和空法隆寺で「語り部ツアー」に参加してきた管理人の「えつ」です。実は2年前にもこのツアーに参加したので今回は2回目。
法隆寺愛あふれる語り部さんの案内で巡るツアーの魅力をピックアップしてご紹介します。

雨の中「語り部ツアー」がスタート

法隆寺語り部ツアーを主催しているのは
和空法隆寺わくうほうりゅうじ」というお宿です。

法隆寺の参道沿いにあり、入り口の南大門までは歩いて30秒!

そんな場所に泊まれるなんて、それだけでも
ワクワクしますよね。

2年前に宿泊した時の記事がこちらです。

和空法隆寺アイキャッチ

法隆寺の魅力や歴史を知り尽くした語り部さんがたっぷり2時間かけて案内してくれるこのツアー、宿泊者は無料で参加することができます。(要予約)

この日は朝から雨でしたが、
前日までの猛暑を考えたら…
逆にうれしくなるほど。

えつ

ああ~雨だぁ。
助かった~。
日頃の行いが良かったのかも~!

さらに前回もお世話になった、語り部の
豊川さんに再会できました。

彼女のパワフルトークがまた聞けるなんて!

語り部豊川さん

はい、こちらが元気いっぱいで、さわやか美人の豊川さんです。


お宿から紫色の傘をお借りして出発、
まずは南大門なんだいもんへ。

世界最古の木造建築、法隆寺ワールドは
ここからスタートします。

南大門を通り抜けると道の両側に土壁が続き、
向こう側に見えてくるのが中門ちゅうもんです。

そのまた奥に、五重塔金堂も顔をのぞかせています。

この100mほどの参道をゆっくりと歩く時間がなかなかステキで、境内の閑静な雰囲気と空の広さに癒されます。

1300年の時の流れを感じながら中門に向かって歩きました。

南大門からの景色
南大門から見える景色

仁王様たちの長生きの秘密!?

法隆寺中門
法隆寺中門

中門にたどり着くと、いかつい仁王様たちの
お出迎え。
この方たち、現存する日本最古の仁王様
(金剛力士像)です。

法隆寺を守るために、今日もにらみをきかせていらっしゃいます。

ここで豊川さんから「仁王様たちのウラ事情」が語られました。

実はこの仁王様たち、もともと塑像
(粘土造り)だったのですが、今は向かって右の阿形あぎょうさんだけが粘土造りなんだとか。

なすのごとく

阿形さんだけって…
え?ど~ゆ~こと?

なんと、左の吽形うんぎょうさんは、頭部だけが粘土で、首から下は木製

材質的にもろい土は劣化が激しく、後世に修復されたそうです。

えつ

そうだよね~。
1300年もの間、南向きで立っている上に野ざらしだもんね。
仁王様たちご苦労さま。

中門の仁王像
仁王像の比較

実は右側の阿形さんも無傷ではなく、こちらは粘土で修復されています。

修復している内に、ぽっちゃり体型になられたそうで。(笑)

たしかに吽形さんより大きめのカラダですよね。

マッチョ比べは阿形さんの勝ち?

こんなお話も語り部ツアーならでは。
知らなければチラ見して通り過ぎてしまうかも。

さらに気になったのは阿形さんと吽形さんは
体の色味が違う点です。

赤っぽい色の阿形さんに対して、吽形さんは
青黒い感じ?

仁王像の役目
仁王像の特徴

色違いのペアには他にお目にかかったことが
ないので、どんな意味があるのか気になります。

もしかして時代的な理由が?…
また豊川さんに聞かなくちゃ。

五重塔に洞窟が?「塔本塑像」とは?

さて、日本最古の五重塔の前に到着しました。

塔の中心を貫く「心柱しんばしら」の下には
仏舎利(お釈迦様の骨)が収められているんだとか。

この心柱を囲むようにして作られているのが
塔本塑像とうほんそぞう」という粘土造りの
像たちです。

お堂の中が洞窟のようになっていて、写真の
赤い枠の位置からのぞき込むようになっています。

塔本塑像の位置
ここから中をのぞきます!

お釈迦さまに関する説話の一場面を塑像で表現していますが、洞窟の中は薄暗くてハッキリとは見えません。

でも、なんとなく紙芝居を見ているような、
楽しい感じ?

東西南北それぞれに1面ずつ置かれ、
全部で4面あります。

この日は雨を避けながら北面、西面を見学
しました。

北面の塑像はお釈迦さまが亡くなった場面、
いわゆる「涅槃図ねはんず」です。

管理人「えつ」による、ゆるっと劇場で再現してみました。(笑)

こんな感じです。

釈迦の入滅

中央に横たわっているのがお釈迦様、その手を取って脈を診ているのはお医者様です。
まさに「ご臨終です…」の瞬間!?

お釈迦さまの死を嘆き悲しむ弟子たちが前面に並び、奥側には悟りを開いた人々が平然と。

それぞれが対照的な表情で描かれているのが特徴なんだとか。

さらに気になっていることが。
実はイラストの青い矢印のあたりに
アヤシイ像が隠れているらしいのです。

ちょうど見えない位置にあるので、必死に
のぞき込んでも見えません。

あきらかに頭部が人間でもなく、仏や菩薩でもない、ナゾの像が3体も!

侍者像じしゃぞう」と呼ばれているアヤシイ像も、ゆるっと再現してみました。

ナゾの侍者像


写真で確認してみたい方はぜひ、こちらから。
法隆寺の謎-人文研究見聞録

どちらかと言えば、ハ虫類のようにも見えますよね。
近くで実物を見てみたいですね~。

「法隆寺推し」を仕事に!豊川さん

五重塔、金堂こんどうなどがある西伽藍にしがらんを見学した後は東伽藍ひがしがらんへ移動、かの有名な「夢殿ゆめどの」まで案内していただいてツアーは終わりました。

なすのごとく

見どころはまだまだたくさんあるよ~!

夢殿の前で
夢殿の前で記念撮影

仏教用語が語源の言葉なども交えながら、法隆寺にまつわるエピソードをたっぷり2時間、
楽しませていただきました~。

身近な言葉でわかりやすく、しかも「めっちゃ面白く」語ってくれるのがこのツアーの魅力です。

そこが単なる「ツアーガイド」ではなく
語り部」である理由なのかもしれません。

誰しも自分の「推し」について語る時は熱量がアップしますよね?

豊川さんからは「法隆寺のすばらしさをもっと伝えたい~!」というパワーを感じます。

つまり豊川さんは「法隆寺推し」の人。

えつ

「この楽しみを分かち合おうよ!」っていう感じかな。

どんどん知りたい…学びたい。
どんどん伝えたい、共有したい。

そんなエネルギーが伝わってきて、私たちもどんどん法隆寺の世界に引き込まれました。

自分の「推し」や「好きなこと」を仕事にしている豊川さん。

そんな彼女の生き方にも魅力を感じました。

ぜひ、またお会いしたいです。

法隆寺の「御朱印帳」

えつ

最後に御朱印帳情報です。
御朱印は「聖霊院しょうりょういん」でいただけます!

法隆寺の御朱印帳には聖徳太子が制定した
十七条憲法」第一条から
和を以て貴しとなす」を直書きしていただけます。

下の写真は一昨年(2023年)にいただいた御朱印です。

法隆寺御朱印

そして今回いただいたのがこちら。
第二条「篤く三宝を敬えあつくさんぽうをうやまえ」です。

篤く三宝を敬え
篤く三宝を敬えの文字

え?どうすれば書いていただけるか…??
その秘密は語り部ツアーに参加すると
わかりますよ~。

十七条の憲法

奈良は宿泊先や交通手段などで、観光するのにちょっと不便さを感じることも。

でも、圧倒的なスケールの大きさと、悠久の歴史を感じられるステキな場所です。

ゆっくりじっくり、時間をぜいたくに味わう旅にはもってこいです。

そして法隆寺を観光する時はぜひ!
門前宿 和空法隆寺を!

えつ

…と、勝手に宣伝したところで
今回のツアーレポートを終わります。
この下は聖徳太子関連の情報です!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

聖徳太子が主人公のマンガ
日出処の天子ひいづるところのてんし」は
山岸凉子先生の不朽の名作です。

今年の夏に「能 狂言」として舞台化されました。(2025年8月)
演出、厩戸王子役は…野村萬斎さんです。

能 狂言 日出処の天子」12月にも公演があるみたいです。

美し過ぎる聖徳太子に出会いたい方は、原作で。