1.王隠堂の南高梅
6月はいつも梅仕事を楽しんでいます。
梅シロップや梅酒。梅干し作り…「梅」って本当においしいですよね。
梅は出回る期間が短いので、店先で見つけた時には買っちゃうのがオススメです。
私は「生活クラブ生協」の会員なので、毎年「王隠堂おういんどう農園」さんの梅を
予約注文しています。
王隠堂農園は奈良県にあり、生活クラブ生協との提携農家です。
今年も梅酒用の青梅が6月上旬に届きました。
南高梅(なんこうばい)という種類の梅です。
いつもフレッシュでこんなに美しい実が届くんですよ。
1粒ずつ丁寧に手もぎで収穫されています。
王隠堂農園の皆様に感謝。
それにしても…「王隠堂」っていう名前、気になるなぁ。
ちょっとミステリアスな名前じゃない?
調べてみたところ、やはり由緒ある名前でした。
地名ではなく「苗字」なんですね。
なんと「南北朝時代」にまでさかのぼるエピソードが…!
後醍醐天皇が足利尊氏に敗れて奈良に逃れた際、一行をかくまってさしあげたことから
天皇が「王隠堂」の苗字を授けられたとか。
王隠堂の「王」は後醍醐天皇のことだったんですね。
農園の創業者のお名前は「王隠堂 誠海おういんどう まさみ」さん。
くぅ、カッコイイ。(笑)
王隠堂農園は奈良県五條市を中心に、柿や梅、野菜などを生産しています。
除草剤や化学合成農薬を使用せず、有機肥料を使うことで土づくりから
とことんこだわり、食の「安全・安心」を大切にしている農園です。
そんな王隠堂農園のこだわりの農産物や自然食品は気軽にお取り寄せできます。
青梅もクール便で送ってもらえます!
→「農悠舎王隠堂 オンラインストア」
2.定番はホワイトリカーと氷砂糖
さて、梅酒といえばこの4つの材料を準備して作ります。
時期になると店先で見かけるようになりますね。
梅の実、酒、甘味料、ガラスびんの4つで
酒はホワイトリカー、甘味料は氷砂糖が定番。
この2つ、なぜ定番に?
ホワイトリカーはアルコール度数が35度と高く、殺菌効果も高いので
長期保存に向いています。
おまけに無味無臭に近いため、梅の風味を邪魔しません。
氷砂糖は、他の甘味料に比べると溶けるのに時間がかかるのが特徴です。
そのため「浸透圧」の作用がゆっくり進むのがポイント。
じっくり時間をかけて梅のエキスを抽出する効果があるんですね。
浸透圧
2つの濃度の異なる液体が隣り合った場合、濃度の薄い方から濃い方に移動すること。
漬け始めは梅の実の方が糖度が高いので、アルコールから梅の実へ。
氷砂糖が溶けてくると、逆に梅の実からアルコールへエキスが移動。
2段階でゆっくり浸透液が入れ替わります。
定番=「理にかなった材料」の組み合わせだったんですね。
3.仁井田本家「和蔵の稔り」
とは言うものの、たまには違った味にも挑戦してみたくなる…のが人情。
「守破離 しゅはり」の「守」から「破」へ!?(笑)
世の「梅酒ラバー」の皆さんは、とっくにブランデーやウィスキーで
好みの梅酒を作ってるもんね。
今回、ホワイトリカーの代わりに使ったのは日本酒(料理酒)で
「仁井田本家にいだほんけ」さんの「和蔵の稔りわぐらのみのり」です。
(こちらも生活クラブ生協の推奨銘柄)
純米料理酒「和蔵の稔り」は、調味用、果実酒作りのために開発され、アルコール分は
20度あります。日本酒は15~16度程度が多いので、やや高めですね。
「仁井田本家」は福島県郡山市にある酒蔵で、創業1711年(江戸中期)です。
「酒は健康に良い飲み物でなければならない」という信条から、
農薬・化学肥料不使用の自然農法米を原料に酒造りをしている蔵元です。
代表銘柄は「仁井田自然酒 にいだしぜんしゅ」
オンラインストアには「60年物の焼酎」もありましたよ。
そ、そのお値段が…!
こちらで確認してみてください。(笑)
仁井田本家オンラインストア
4.今年の梅酒レシピ
というわけで、今年の梅酒はこんな仕込みになりました。
甘味料も氷砂糖ではなく、上白糖でもなく、生活クラブの「素精糖」を。
沖縄県内のサトウキビから作られています。ミネラルたっぷりの砂糖です。
個々の材料をこんな分量で仕込みました。
・青梅(王隠堂農園南高梅) 800g できるだけ農薬の少ない新鮮な梅を!
・和蔵の稔り(仁井田本家) 1.8L 瓶タイプは1本900mlなので2本必要。
・素精糖(生活クラブ) 400g 甘さを控えめにしました。
・ガラスびん 容量3Lのびんを用意しました。
作り方をざっと共有しましょう。
①ガラスびんを洗い、中はアルコール消毒。
②梅を洗って水気を拭き、下の写真のように竹串で「なり口」を取ります。
(南高梅はアクが少ないので、長く水につけない方が実は傷みません。)
③素精糖(砂糖)と梅を交互にびんの中へ。
④「和蔵の稔り」を注いで仕込みは完了です。
このまま冷暗所でおねんねしてもらいます。
時々、びんを振ったり、様子を見つつ…
…半年くらいから飲めるかしら?
家庭での梅酒作りにはブランデー、ウィスキー、ウォッカ、ジン、ラム、日本酒、焼酎…
好みのアルコールで作ることができますが、酒税法で「必ずアルコール分が20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものを使う」とされています。
日本酒はアルコール度数が低めなので、必ず確認して20度以上のものを選びましょう。
同様にワインは12度程度なので使用できません。
5.まとめ
今年の梅酒作りの材料をご紹介しました。
せっかく作るからには「安全・安心な材料」をそろえたいですよね。
王隠堂農園の南高梅と仁井田本家「和蔵の稔り」のマリアージュ。
どんな仕上がりになるか楽しみです。
王隠堂農園 農悠舎王隠堂 オンラインストア
仁井田本家 仁井田本家オンラインストア
梅酒に使うアルコール、20度以上にするのを忘れないでね。
詳しくは、こちらのページで確認してくださいね。
→「国税庁 自家醸造」
発酵食品や梅酒を作るときに欠かせない、容器やびんの消毒。
煮沸消毒ができない時は、アルコール分77%の「パストリーゼ77」がオススメです。
スプレーで吹きつけられるので手間なしですよ。
こんにちは。毎年6月は梅酒作りを楽しんでいる管理人の「えつ」です。
いつもホワイトリカーを使っていましたが、今年はちょっと気分を変えて日本酒で作ってみました。梅酒が好きな人、いつも作る人、たまには違う作り方をしたい人に…こだわりの梅酒の材料をご紹介します。