こんにちは。発酵食マニアの管理人「えつ」です。
自宅で醤油が作れるキット「育てる醤油」を今年の3月に仕込みました。
夏を越してすでに11月半ば。醤油はどんな感じに育ったのでしょうか。
1.「育てる醤油」とは?
「育てる醤油」は自宅で簡単に醤油を作ることができるキットです。
京都府綾部市の「株式会社今しぼり」が販売しています。
醤油も味噌もスーパーに行けばプロの作品?をすぐに買う事ができますが、
作られる過程を知ることで視野の広がりを感じる今日この頃。
料理や健康についてはもちろんですが、環境、経済に関しても目が向くように
なりました。
「プチ自給生活!?」は楽しいな。
醤油麹と水をビンに入れてかき混ぜながら「育つのを待つ」だけ。
誰でも簡単に作れます。
3月に醤油を仕込んだ時の記事はこちらから。
2.醤油が育つまで
3月に仕込んだ時は黄土色でした。
大豆や小麦の粒も大きくてゴロゴロしていましたね。
初めの1週間は毎日かき混ぜ、次の1ヶ月は週に1回…
だんだんと混ぜる回数は少なくなっていきます。
ビンが縦長でかき混ぜるのがちょっと難しかっなぁ。
長いスプーンがオススメだよ。
底の方に塩がたまってしまうから均一になるようにしないとね。
3月6日に仕込んで約1ヶ月後が下の写真です。
こんな感じで半年経過。8月半ばにはこんな色に。
粒がペースト状になり、こなれてきた感あり。
お味噌みたいな色になってきました。
この頃は月に1~2回程度かき混ぜていました。
かき混ぜた時にスプーンについた「もろみ」(ペースト)をなめると…
しょっぱ~!
見た目は味噌だけど味はかなりしょっぱいなぁ。
醤油の方が味噌より塩分濃度が濃いせいですね。
さらに時は過ぎ、11月に。
お醤油っぽく、濃い色になってきました!
これが「メイラード反応」っていう現象ですね。
食品に含まれるたんぱく質と糖類が反応して茶色い物質(メラノイジン)が
生まれるためです。
夏を越した醤油のもろみ、そろそろしぼってみたくなりました。
3.いざ、初しぼり!
ビンごとしぼることもできますが、なんだかもったいないような
気がしてこんなグッズを入手しました。
「卓上しぼり器セット」です。
ちょっとずつ小分けにしてしぼる事ができます。
(「育てる醤油」同様、「今しぼり」で購入できます。)
使い方は簡単。
しぼり袋に「もろみ」と水を入れ、よくかき混ぜて上から蓋で押します。
すると液体としぼり粕(かす)に分かれるという仕組みです。
出てきた液体を生醤油(なましょうゆ)と呼びます。
思っていたより薄い色でした。まだこれから濃くなるかもしれません。
やったぁ!「手前醤油」の出来上がり!!
もちろん、醤油の「しぼり粕」も食べられます。
酒粕同様、むしろ「栄養素」はこちらにたくさん残っています。
4.醤油と粕(かす)を試食
自宅の「丸大豆醤油」としぼりたての生醤油を比べてみました。
左側が市販品。やはりだいぶ色は濃い目ですね。
育てた醤油は色は薄いものの、塩辛さとしては変わりありません。
市販品と同様に16~17%の塩分があると思います。
色はこれからだんだんと濃くなってくるんでしょう。
これは先ほども書いた「メイラード反応」です。
色が濃くなる=劣化ではありませんからご心配なく。
しぼりたて第1号の生醤油はホタテのお刺身につけていただきました。
美味しかった~。
醤油は本当に「味と香り」のハーモニーがすばらしい調味料ですよね。
ただ「しょっぱい」のではなく、うま味、甘味、酸味、苦味そして
メインの「塩辛さ」が結集した味。
これに香りが加わるとさらにパワーアップ。
加熱した醤油の香りも食欲をそそられますよねぇ。
そう言えば「塩辛さ」のことを「鹹味(かんみ)」と表現するのを
今回初めて知りました。
こんな字、見たことないような。(汗)
ちょっと国語の勉強にもなりました。
しぼり粕の方はドロッとしていますが、やはり旨味の強さを感じます。
そもそも江戸時代以前の醤油はペースト状で食べていたらしいですよ。
速攻で卵かけご飯にしてみたら、まったりしたテクスチャーの
「TKG(たまごかけごはん)」になりました。
他の活用法もこれから工夫してみたいと思います。
オイルとの相性がよさそうですし、炒め物などにも使えそうですね。
5.まとめ
- 「育てる醤油」は京都の「株式会社今しぼり」が販売している
手作り醤油のキットです。 - 水を入れてかき混ぜることで発酵、熟成が進んでいきます。
6ヶ月以上熟成させ、夏を越すことがポイントです。 - 熟成した「もろみ」に湯冷まし(浄水)を注ぎ、よく攪拌してしぼります。
- しぼった醤油は「生醤油なましょうゆ」と「しぼり粕」に分けられますが
どちらも違うテクスチャーでおいしくいただくことができます。
残りの「もろみ」たちも引き続き「熟成」させながら
味わいたいと思います。
のんびりと醤油を育ててみたい方はどうぞ、こちらから。
育てる醤油が育ったのですね。おめでとうございます(^^♪
卓上しぼり器の形のかわいいこと! 特別感が増して素敵です。