夏越の祓とは?
「夏越の祓なごしのはらえ」とは、一年の半分にあたる6月30日に行われます。
神社で半年間の厄払いと、後半に向けての無病息災を祈願する行事です。
奈良時代の宮中行事が起源なので、関西地方に特になじみの深い行事と言えます。

関東に住む私が「夏越の祓」を
知ったのは、おばさんになってからで茶道のお稽古がきっかけでした。
身の回りでは知らない人の方が多かったかも~。
規模の大きな神社ではこの時期、「茅の輪」が設置されます。
年末年始の神社でも見かける茅の輪は、「ちがや」という植物を編み込んだ大きな輪で、
身に着いた厄を払う力があるとされています。

上の写真は去年(2024年)の6月、神奈川県の「伊勢山皇大神宮いせやまこうたいじんぐう」
で撮りました。
茅の輪の手前に立札があり、輪のくぐり方が示されていました。
どこの神社でも、このようにお作法が示されているので、わからないまま出かけても大丈夫です。

たいていは茅の輪を左回り、右回り、再度左回りと8の字を書くようにして輪をくぐります。

立札に“人は常日頃、知らず知らずのうちに罪穢れ(つみけがれ)を犯しているものです。”って書いてあるよ。

そっ、そうだね。自分でやらかした感が無くても、ヒトはあやまちを犯しているものだよね~。(汗)
神社によっては「人形ひとがた」「形代かたしろ」と呼ばれる紙の人形に自分の罪やけがれを移し、身代わりとして川に流したり、かがり火で燃やしたりします。

「ひとがた」
さらに、この行事に欠かせないのが
「水無月みなづき」という和菓子です。
三角形の「ういろう」生地の上にふっくらと煮た小豆という組み合わせで、もっちり食感のやさしい味です。

平安時代の宮中では「水無月を食べる=厄払い」だったそうです。
やはり古き都の風習を引き継いでいるせいなんでしょうか。
京都の人にとっては「茅の輪くぐりをして水無月を食べるのなんて、当たり前やわぁ~」という感じのようです。
なじみが薄めな関東地方の皆さんも、この
期間限定スイーツに出会ったらぜひお味見を。
茅の輪の由来は「蘇民将来伝説」
さて次に、茅の輪くぐりの由来とされている伝説をご紹介しましょう。
このブログ「まな♪まな」ならではの、ゆるキャラ劇場でお楽しみください。
<登場人物>
1.旅の途中のスサノオノミコト(日本神話に登場する神様)
2.備後の国の巨旦将来 こたんしょうらい(裕福な弟)
3. 〃 蘇民将来 そみんしょうらい(貧乏な兄)
備後の国は今の広島県にあたります。
なぜか神話や昔話にありがちな、際立ったキャラ設定で、裕福で意地悪な弟と貧乏で心優しい兄…という対照的過ぎる二人。
旅の途中で疲れ果てたスサノオノミコトが一夜の宿を求めます。
…人生において、こういう覆面調査員みたいな人が突然訪れることってあるんでしょうねぇ。
(しかも、スサノオ様は荒々しい性格の神様として有名です。)

ここからがまた「昔話あるある」で…
裕福な弟は冷たく断り、快くもてなしてくれたのは貧しい兄の蘇民将来でした。

スサノオノミコトはそのお礼として蘇民将来に「茅の輪」を授け、「疫病が流行ったら、この茅の輪を腰につけなさい」と言いました。
蘇民将来は茅の輪のおかげで難を逃れ、子孫は繫栄したそうです。

なるほど、やっぱりそうなったか~。
もともとは腰につけられるぐらいの小さな輪だったのね。
ちなみに、この蘇民将来の話にまつわる
注連縄(しめなわ)があります。
私はお伊勢参りに出かけた時に、いたるところで目にしました。
そう、お正月でもないのに注連縄が!?

こんな立派な注連縄が、お店はもちろん、一般の家庭の軒先にも多く見られました。
木の札には「蘇民将来子孫家」の文字。
伊勢地方ではこの注連縄を厄除けとして一年中飾っておく風習があります。
私は伊勢のおかげ横丁でこの小さな木札を求めました。
家の玄関の隅に置いて「蘇民アピール」しています。(笑)

今年の後半に向けたリセット!
「夏越の祓」はどこの神社でも茅の輪を設置しているわけではありません。
近くの神社に出かけたのに茅の輪が無かった…!
もしかしたら、そんな可能性の方が高いかもしれません。(笑)
とは言え「茅の輪くぐり」ができなかったとしても、自分なりのお礼参りはできます。
さらに「半年の節目」を意識すると、ちょっとしたリフレッシュにも。
毎日忙しく過ごしていると、「つい見ないふりをしてそのまま流されて行く」ことが…
私にはたくさんあります。(笑)
「1月からの半年間、家族が無事に過ごすことができて良かった。」
「年の初めに意気込んで立てた目標…どうしちゃったっけ?」とか
「大掃除から半年たったら、だいぶ汚れがたまってる。」
「不用品が増えてきたのを、ずっと放置してるんだけど、どうしよう…」
「備蓄用の食料もこの半年間で、ずいぶん食べちゃったな。」とか。

まあ、年をまたいで保留しちゃっている案件もあります…(汗)
「夏越の祓」をきっかけに、そんな事をチェックしてみるのもオススメです。

ひとまず、無事に過ごせたものの、想定外の出来事やしんどい事もそれなりにありました~!
そんなこんなを振り返りつつ、ひとまずここで上半期を締めくくり、後半に向けて新しくスタートしようと思います。
まとめ
・日本の伝統行事「夏越の祓」では、今年前半の厄払いを行います。
・厄払いには「茅の輪くぐり」や「ひとがた流し」などの方法があり、地域や神社によってさまざまです。
・茅の輪の設置期間も神社によって異なり、
6月30日の前後にわたって置かれる場合もあります。
・茅の輪を見つけたら、イベント的に参加してみるのも楽しいと思います。
お目当ての神社があれば、情報を調べてから行くのがオススメです。
神社によって行事の内容や日程も異なります。
・みやびな和菓子、水無月も期間限定ですから、ぜひ味わってみてください。

忙しい毎日だけど、仕切り直して後半もがんばろう~。
あっ、そういえば茅の輪くぐり、帰る時はくぐらないでね~。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは。管理人の「えつ」です。
ふと気がつけば6月も、もうすぐ終わり……早くも今年を折り返すことになりますね。そこで今回は、年の前半を締めくくる行事「夏越の祓なごしのはらえ」をご紹介します。神社で行われる「茅の輪くぐり」やその起源についても、わかりやすくお伝えします。ぜひお読みください~。