江戸時代から続く京都の種麹屋「菱六」を訪ねて

菱六アイキャッチ
えつ

こんにちは!京都旅行から帰ってきた「えつ」です。
泊ったホテルのすぐ近くに老舗の種麹屋「菱六」さんがありました!
今や国内で数少くなった「種麹屋」のこと、京都の老舗「菱六」さんと
ちょっと珍しい「米麴パウダー」もご紹介します。
自家製の発酵食品を作る人は必見ですよ~!

1.種麹屋、もやし屋とは?

「種麹屋たねこうじや」とは味噌や醤油、日本酒など発酵食品に使用する
「麹菌」を専門に製造し販売する店のことです。
日本の発酵食文化を支えてきた存在です。

「種麹」の起源は室町時代まで、さかのぼります。
麹菌をいつも安定した品質で入手するために発明されました。
江戸時代になり、これを専門職として製造・販売したのが「種麹屋」です。

麴菌の形がモヤシに似ていることから「もやし屋」と呼ばれることも。
この「もやし屋」さん、時代と共に減少してきました。
今現在、日本国内で10軒にも満たないんだとか。

その中の一軒が京都のもやし屋「菱六」さんです。

なすのごとく

「もやし」と言えばこの漫画。「もやしもん」だね!

石川雅之さんの漫画に「もやしもん」という作品があります。
(テレビアニメにもなっています。)
肉眼で菌を見ることができる酒蔵出身の農大生が主人公です。

主人公と共にメインキャラクターとして描かれるのが
かわいい麹菌たち(オリゼー)です。
こんな風にワチャワチャ登場します。

麹菌だけじゃなく、納豆菌や乳酸菌…大腸菌まで
ありとあらゆる菌たちが登場します。

もやしもん表紙
もやしもんカット


この漫画、カワイイ、面白いだけじゃなく「発酵」に関する情報量が
半端ないです。まるで発酵事典、教科書!?
めちゃくちゃ、勉強になりますよ。
発酵好きの方には、是非一読をおススメします。(全13巻!)

2.「菱六」さんへのアクセス

松原通りにあることだけはわかっていましたが、よく調べてみたら驚きの住所!?

【株式会社 菱六】
住所:京都府京都市東山区松原通大和大路東入二丁目轆轤町79
電話:(075)541-4141

なすのごとく

出た!京都あるある難読・難解地名!
松原通大和大路東入二丁目轆轤町…!?
なんて読むんだ?

はい。「まつばらどおり やまとおおじ ひがしいる にちょうめ」
そしてこの難しい町名は…

轆轤町の説明黒板

この「ろくろちょう」という地名にはびっくりする由来があるのですが…
また別の機会に紹介しましょう。
(この地域、なかなかミステリアスな場所だったのです…)

菱六看板

住宅街を歩いていくと300年の歴史を感じさせる看板が。

3.「米麴パウダー」を買ってみました!

入り口近くに案内が出ていました。
「もやしもん」のメインキャラ「オリゼー」くんもいますね。

菱六の店内

お目当ては、この「米麴パウダー」です。
米麴はふつう粒状ですが、「菱六」ではパウダータイプも販売しています。

店内に商品を並べてあるのかな?と思ったら、そうではなく…
この案内の向こう側に事務所があり、中にいる社員さんに
「あ~、すみませ~ん。米麴パウダーの100gを3つくださ~い。」
なんて伝えると奥の倉庫から商品を出して来てくれます。

以下は米麴パウダーにつけてくれた説明書から。

「麹菌」を十分に繁殖させた生麹を乾燥させ、きめの細かい粉末状に加工しました。
粉砕時に麹に摩擦熱がかからないようにしているため、麹菌「酵素」の力が
活きています。

えつ

パウダー状の米麴、前から気になってたんだよね~。
これなら「発酵あんこ」もなめらかにできるんじゃないかなぁ?

発酵あんこに限らず…どれも粒感のない仕上がりになるハズ!
そして「酵素」も元気なら…買うしかない!

4.「米麹パウダー」の活用

帰宅後、さっそく米麴パウダーをチェック。

米麴パウダー

粒子が細かく、とてもサラサラしています。そして真っ白。
そのまま、なめてみました。
かすか~に甘味がある感じ。強い主張はありません。

開封したのでガラス瓶に移し替えました。この状態で冷蔵保存します。

いくつかの活用例も紹介されていました。
とにかくパウダーの形状を生かして素材に混ぜるのが一番ですね。

・だし巻き卵の卵に溶かし込む。
・お肉にまぶして肉をやわらかくする。
・パン作りの生地に混ぜ込む。
・パンケーキの生地にも。

えつ

うん、さらっとしてるから米粉や小麦粉にも混ぜやすい。
使うと生地がしっとり&ふんわりするんだって。
そうだ、毎朝飲んでるスムージーにも入れちゃおう!

味噌汁に入れてもいいし、ヨーグルトの上からふりかけてもいいし…
味の邪魔をしないので、どんどん使えますね。レッツ腸活!

そうそう、「発酵あんこ」も試作しました。

「発酵あんこ」は、ゆでた小豆を米麴で発酵させたものです。
麹甘酒の小豆バージョンです。
砂糖は入れなくても小豆が甘くなるので「発酵あんこ」。

思った通り。粒が無いのでなめらかな仕上がり。
色は白っぽく仕上がりました。

発酵あんこを作る

普通の粒状の米麴で作った「発酵あんこ」の写真がこちら。

粒状の残る発酵あんこ

もちろん味は問題なくおいしいんですが、ちょっと粒の存在が気になっていました。

甘過ぎず、おいしい発酵あんこができました!

5.まとめ

  • 京都東山にある「菱六」さんは江戸時代から続く「種麹屋」です。
  • 種麹屋とは発酵食品の作るために欠かせない麹菌(種麹)を専門に
    製造・販売する店です。
  • 麹菌は古来、その形から「もやし」と呼ばれて来ました。
    「麹菌=種麹=もやし」
  • 「麹菌=もやし」がメインキュラクターの漫画「もやしもん」は
    石川雅之氏の作品。発酵の歴史や知識、とにかく情報満載の楽しい
    漫画です。
  • 「菱六」さんではオリジナル商品「米麴パウダー」を販売しています。
    使いやすく、なめらかな仕上がりが期待できます。
えつ

米麴パウダーだと甘酒もさらさらに仕上がるみたい。
次は甘酒作りで試してみようと思います。
他にも「醤油用」「焼酎用」などの用途別の米麹がありますよ。
オンラインショップもあるのでチェックしてみてくださいね。