1.梅の本との出会いから
杉田梅専門店の「延楽梅花堂えんがくばいかどう」に行ってみたいな…
と思ったきっかけはこの一冊。
「梅おばあちゃんの贈りもの:82歳の現役職人が伝える梅仕事と暮らしの知恵」
「延楽梅花堂」の店主「乗松祥子のりまつさちこ」さんの著書(2023年5月出版)です。
本の内容をざっくりとご紹介しましょう。
乗松さんは懐石料理の名門「辻留つじとめ」に長く勤務された後、鎌倉、代官山で
日本料理店を経営してこられました。
そんな乗松さんが50年以上、大切にして関わっていらしたのが梅仕事です。
この梅仕事には「梅の実の加工」だけでなく、日本古来の品種である「杉田梅」を
絶滅の危機から守る…という壮大なミッションまでもが含まれていました…!
乗松さんの人生観や梅への想いがつづられた内容で、梅干しや梅酒、梅料理の
レシピもあります。さらには交流のあった樹木希林さん、白洲正子さんとの
話や内田也哉子さんとの対談もあり…とにかく盛だくさんで楽しめました!
すぐに他の著書も探して読みまくり(どちらも希少本で、中古本を入手。)
すっかり乗松さんのファンに。
是非ともお会いしてみたいし、杉田梅の梅干しも食べてみたくなりました。
そんなわけで…
そうだ、「延楽梅花堂」に行ってみよう!
と思い立ったのです。
2.「延楽梅花堂」へ行ってみよう!
さて「延楽梅花堂」は、梅名人、乗松さんのご自宅でもあることがわかりました。
(令和2年に他所より移転。)
東京都世田谷区で、東急大井町線「上野毛かみのげ」駅から徒歩7分です。
公式サイトに地図や住所が掲載されています。
⇒「延楽梅花堂 店舗案内」
駅の正面口を出てからは地図を頼りに住宅街の中をうろうろ。
たどり着けない人はご縁が無い…!?
いやいや、大丈夫ですよ。
我々にはGoogleマップという強い味方がいますから。(笑)
ほどなく「延楽梅花堂 乗松祥子」という表札にたどり着きました!
門扉が開けられています。これは営業中…ってことです…ね?
営業時間は調べてありましたが、小心者のためビクビク。
ピンポンしてもいいのかな?
一見さんお断り!とかじゃないよねぇ。
大丈夫でした。
ビビり過ぎです。
とにかく自信をもって玄関チャイムを押しましょう!(笑)
さあ「梅名人」、「梅の先生」に会えるんでしょうか!?
3.梅名人との出会い
チャイムを押すと扉が開き、秘書らしき男性が中へ案内してくれました。
玄関内のスペースにはたくさんの梅たちが。
ここで展示、販売をしているんですね。
向こう側に大きな甕かめも見えます。中は梅干しかな?
「今日はこれから都内デパートの催事に出店するので品数が少なめでして。
店主もそちらに出かける予定です」…とのこと。
タイミングの悪い時に来ちゃったかな?…と思いつつ
せっかくなので商品を一つずつ拝見。
「梅干し」はもちろん、「梅酢」「梅干しペースト」「赤しそふりかけ」
「コンフィチュール」に「梅ドリンク」「梅塩」…
全て昔ながらの製法で丁寧な手作り品です。
…と、そこへ…
梅名人、乗松さんが奥からひょっこりと顔を出してくださいました!
「まあまあ、このお暑い中をよくお越しくださいました。」
ご丁寧に冷たい飲み物をお持ちくださり、ライフワークの梅仕事についても
お話をうかがうことができました。
4.杉田梅への想い
乗松さんのライフワークの中心にある「杉田梅」とはどんな梅なんでしょう?
「杉田梅」は日本古来の貴重な「野梅系やばいけい品種」と呼ばれています。
中には樹齢300年という木も。
ということは江戸時代から…!?
杉田梅は数ある品種の中でも特にクエン酸濃度が高く、健康効果の期待できる梅
なのですが、産出量が少なく加工しづらいため、多くの木が伐採されてしまいました。
おかげで杉田梅は絶滅の危機に。
これを「何とかしなければ」と植林活動を始められたのが乗松さんです。
お話をうかがいながら、その想いやバワーの強さを感じていました。
現在は杉田梅の保護活動や昔ながらの梅仕事の継承を目的とした会が
発足されています。興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
⇒「杉田梅WORKS(杉田梅を守り育てる会)」
お出かけの予定を控えていらっしゃったのに、たくさんの時間をいただいて
しまいました。
本で読んだイメージ、そのままのステキな「梅名人」でした。
5.まとめ
・「延楽梅花堂」は幻の梅「杉田梅」を使った商品を専門に扱う店です。
商品はすべて手作り品です。
・「杉田梅」はクエン酸濃度が大変高く、多くの健康効果が期待できます。
(疲労回復・血流改善、代謝アップ、便秘改善など)
・昔ながらの製法のため、梅干しにはしっかりとした塩分があります。
そのため、添加物を使用することなく常温で長期の保存が可能です。
・商品ラインナップはこちらから。お取り寄せもできますよ。
⇒延楽梅花堂オンラインショップ
乗松さんにお会いして、改めて梅のパワーを感じました!
常温のまま長く保存できるってことは備蓄品としても最高ですよね。
これからもっと梅の勉強をしたくなりました。
今年の梅仕事の覚書です。
まだヒヨコ仕事ですが、よろしければこちらの記事もお読みください。
こんにちは。「まな♪まな」管理人の「えつ」です。
一冊の本がきっかけで「延楽梅花堂えんがくばいかどう」という「杉田梅」の
専門店に出かけました。「幻の梅」と呼ばれる杉田梅や店主、乗松さんのお話をご紹介します。梅料理、梅仕事が好きな方は必見ですよ~。