1.スベリヒユってどんな草?
いきなり「スベリヒユ」って言われてもねぇ。ピンとこないよ。
おまけに受験生にはゴロが悪そうなネーミング?
そうですね。私も最初は「何それ?」と思いました。
スベリヒユは道端や畑のあぜ道、そして庭の片隅にも生えています。
つまり雑草なんですが、実は栄養価が高くひそかに注目されています。
はい、ウチの庭にもいました。
こんな風に丸っこい涙型で多肉質な葉がたくさん。
赤みのある茎が放射状に生えています。
実はこのスベリヒユの園芸種が「ポーチュラカ」や「マツバボタン」です。
「昭和なお庭」の花壇に、よく植えられていたような?
ちょっと懐かしい、あの花たちの親戚だったんです。
上のスベリヒユとポーチュラカ。葉の形を見比べると、そっくりですよね。
マツバボタンはその名の通り、松葉のようなとがった葉ですが、やはり多肉系。
スベリヒユも7~9月にはこんなかわいい花を咲かせるんですよ。
なんとなくスベリヒユの素性がわかったところで…
いよいよ食べてみたいと思います。
2.下ごしらえと実食!
スベリヒユはちょっと出歩けば、すぐに見つけられます。
おそらく日本全国…どこでも。
日当たりが良くて乾いた場所が好きなようです。
食べる目的で採取するなら、衛生面にも気を付けたいところです。
排気ガスや除草剤、お散歩ワンちゃんの事やら…色々ありますね。(笑)
雑草なので「タダ」ですが、なるべく安全な場所でゲットしましょう。
採取したら丁寧に水洗いして…
沸騰したお湯にひとつまみの塩を入れて1~2分、湯がきます。
そのあとは10分ほど冷水にさらします。
スベリヒユは「シュウ酸」を多く含むので、この下処理をしておきましょう。
まぁ、一度にたくさん食べなければ大丈夫だと思いますけどね。
シュウ酸は、ほうれん草やタケノコなどにも多く含まれていて
下処理をしてからの調理がオススメです。
多く摂り過ぎると「尿路結石」などにつながるリスクも。
ゆでるとツヤが増して表面にぬめり感が出てきました。
さて味は…?
特にクセはなく、やや酸味があります。
茎がシャキシャキして「おひたし」に良さそう。
あとはざっくりカットして…
あっという間に「スベリヒユと豆腐の味噌汁」が出来上がり。
からし醤油であえて、冷やしそうめんのお共にした時も。
ミョウガにオクラ、キュウリ。そしてスベリヒユ。
それぞれのシャキシャキ食材がそうめんとよく合いますよ。
3.スベリヒユはスーパーフードだった!
気になるスベリヒユの栄養についても調べてみました。
まず、アラフィフ以上には特にうれしい?「オメガ3脂肪酸」を多く含んでいます。
オメガ3…と言えば青魚やアマニ油にふくまれている成分。
コレステロール値を下げる作用や抗炎症作用に効果が期待できます。
さらに抗酸化物質の1つ、「グルタチオン」が多量に含まれる上、
ビタミンC、ビタミンB群、マグネシウムに鉄、リン、カルシウムも豊富。
グルタチオン…強い抗酸化、抗ストレス作用があり、肝機能をアップさせたり
細胞の老化やガン化を防ぐ働きを持つ。
しかも含有量が他の野菜よりもメチャ高いらしい。
もはや「ただの雑草」扱いはできな~い!
高いサプリより「スベリヒユ」を食べよう。
このスベリヒユ、山形や沖縄では昔から普通に食用とされていたそうです。
山形では「ひょう」と呼ばれ、おひたし以外にも乾燥保存して煮物を作ったりも。
海外ではギリシャやトルコでサラダやスープの具材に使われています。
「Purslane(パースレーン)」という名前です。
中国では天然の抗生物質、つまり薬草として扱われてきたんだって。
生の葉は虫刺されなどの肌トラブルにも有効らしいよ。
ますます「雑草扱い」は申し訳ない気持ちに。(笑)
4.要注意な相似形!?
このスーパーフードなスベリヒユにちょっと見、似ているまぎらわしい草が
あります。毒性があるため、間違えないようにしたいです。
その草は「コニシキソウ」です。
下の写真のように…確かにちょっと似ていますね。
おまけにスベリヒユのすぐ近くに生えていることが多いんです。
放射状に伸びる赤い茎に涙型の葉…!?
でもよく見ると葉の中心に赤い斑点があり…
葉の大きさ、厚みもスベリヒユよりは小さめです。
もう少し詳しくまとめたのが、この上の図です。
茎を折って確認してもいいんですが、白い液体に触ると皮膚炎になる例も。
判断に悩む時は…無理せず採るのをやめておく方がいいですね。
5.まとめ
・スベリヒユは「雑草」と認識される地域がほとんどですが、実はオメガ3系脂肪酸や
身体に有効な成分を豊富に含む、スーパーフードでした。
・国内では山形や沖縄、海外ではヨーロッパなどで昔から「食用の野草」として扱われて
いました。中国では「薬草」としても。
・シュウ酸を多く含むので、生食するよりは軽く湯がいて冷水にさらすのがオススメです。
湯がくとぬめりが出て、少し酸味のある味がします。
・味噌汁やスープ、サラダや炒め物…様々な用途に使える食材になりますが
一度に大量に食べることは避けましょう。
・形が似ている「コニシキソウ」は毒性があります。
間違えて採取しないように気を付けましょう。
よくわからない時は採取しない方がいいですね。
スベリヒユ、ちょっと探してみたくなりませんか?
きっと他にも楽しい野草たちに出会えそう。
私も最近はこの本を見ながら雑草、いや野草を観察するのが楽しみです。
こんにちは。いつも自然に囲まれて暮らしている管理人「えつ」です。
その辺の道端に生えている「スベリヒユ」という草を知っていますか?
それが実は栄養満点のスーパーフードだったとしたら…?
今回はそんなスベリヒユのナゾに迫ります。ぜひご覧ください。