1.土井先生の「あったかい」味噌汁の本
「お味噌知る。」は料理家の土井善晴(よしはる)さんと
長女、土井光(ひかる)さんの共著で2021年の出版です。(世界文化社)
そうそう、先代の土井勝さんも大変有名な料理家でしたよね。
テレビの料理番組で見る善晴先生のトークは「あったかトーク」で
いつもひきこまれますが、お料理本も何冊か読んですっかりファンに。
土井先生は料理について、こんな考え方を示してくれます。
・とにかく自分で作って食べる事が大切。
・毎日の食事に手間は不要。食べたいおかずを1つ作ればいい。
「一汁一菜」を中心に考えよう。
・自分で作ることが自分や家族の健康を守る。
「自分で作る」を大切にしながらも、
「無理してがんばらなくていいんだよ。」というメッセージです。
くうぅ。毎日「晩ごはん、どうしよう~!」なんて
追い込まれる私には、ありがたくて涙が出るぅ。
今回の「お味噌知る。」も「味噌汁をもっと気軽に楽しもう!」がテーマ。
レシピ本でありつつ、食を通して生き方を考える本でもあります。
2.味噌汁、3つの作り方
ふだん「お味噌汁」を作らない人にとっては…
「出汁(だし)を取るのは面倒」
「1人暮らしだから味噌汁は作れない」
「味噌をどれくらい溶けばいいのかわからない」
なんて不安がつきものですが、この本はそんな気持ちを
一気に吹き飛ばしてくれます。
土井先生が提案する3つの作り方。
ここでベースになる「基本の味噌汁」の作り方を見てみましょう。
①ひと椀の具材と ひと椀のお水を
土井善晴/土井光「お味噌知る。」~基本の味噌汁~より
②小鍋に入れて 中火で煮たてて
③味噌を溶いたら
④お味噌汁
わあい、シンプル!…出汁はどうする?
もちろん、丁寧に作れる時には出汁も取りましょう。
でも出汁取りが面倒で味噌汁を作らないのは…
「残念過ぎる!」という事なんです。
とにかく、まずは野菜を少量煮て、味噌を溶いて飲む。
なんならお湯に味噌を溶いて飲むだけ。
それだけでも十分だと。
ググッと味噌汁のハードルが下がりませんか?
野菜やキノコからも出汁(だし)は出るんですよね。
そして味噌には絶妙な旨味があります。
それだけで十分においしいし、身体にもいいんです。
味噌汁飲むと、ほっとするよね~。
料理は自立への第一歩。
味噌汁はおかずにもなる立派な一品です。
卵やお肉なんかも入れちゃったら、もう堂々たる主菜。
だから1人分だけでも…自分のために、もっと気楽に作ろう。
大げさに考えず、とにかく作ってみよう!
そんな気持ちにさせてくれます。
味噌の種類、分量の目安も書かれてはいるものの…
「毎回計量して作るものじゃない」
「やっていけば、すぐわかるようになる」と。
体験してカンを養っていくことが大事なんですね。
「足りないと思ったら醤油を足してもいいし、かつお節を入れてもいい。」
こうするべき!じゃなくて「いいと思った事を試せばいい」
そんな勇気をもらえます。
3.味噌汁作り、5つのテーマ
「お味噌知る。」は5つのテーマで味噌汁を掘り下げます。
レシピのバリエーションはもちろん、味噌に関する知識や
情報も盛りだくさんですよ~。
5つのテーマを見てみましょう。
印象に残ったレシピや内容のメモも、ちょっとずつ紹介します。
- 自立の味噌汁
・自分で自分のお世話をすることだから「料理は自立」
・自分の体調を読み取って料理をしよう
・落とし卵、パンにも合う味噌汁、ツナ缶を使った味噌汁 - 家族の味噌汁
・家族の好みにも応えよう
・「家庭料理」はよそ行き料理である必要はない
・揚げ卵の味噌汁、じゃが芋・玉ねぎ・いんげん豆の味噌汁 - 組み合わせる味噌汁
・おかずの付け合わせを味噌汁で作る
・ハンバーグにトマトの味噌汁
・サンドイッチと牛乳の入った味噌汁 - 季節の味噌汁
・季節や風土を感じて楽しめる味噌汁
・旬の食材を使い、季節によっては味噌も使い分ける
・豚汁も季節によって具を変えると違った印象に
・白みそ仕立ての雑煮 - 味噌料理・スペシャルな味噌汁
・調味料としても万能な味噌
・カロリーを摂り過ぎずに旨味が味わえる味噌
・味噌のおむすび、味噌だれと焼き鳥
コレを読んだら味噌汁のマンネリ化はなくなるね。
作ったことがない人も、きっと挑戦したくなるよ。
そう言えば「ナスの油味噌」のレシピもあったなぁ。
4.自分で作って食べることがすべての始まり
レシピや調理のアイディアもたくさんありますが、
とにかく一貫したテーマはコレです。
「自分で作って食べることがすべての始まり。
だから毎日、味噌汁を作って飲もう!」
自分で作ることで感性が磨かれ、判断力がつくようになる。
自分で選べる力がつくこと、それが「自立」
だから「きっちり計って作る」のではなく
「自分で判断する、感じて決める」ことが大切なんですね。
味噌汁の健康効果はもちろん重要ですが、まずは自分で作ろうと。
・ごはんと味噌汁を作って一汁一菜。
・毎日の家庭料理にSNS映えは必要なし。
・味付けよりも素材の味を楽しむのが「和食」
そんな土井先生の優しくも力強いメッセージに触れてみませんか?
味噌についてはこちらの記事でも「味噌の秘めたる可能性」について
まとめました。味噌は非常食としても有効です。放射能と味噌の関係も。
興味のある方は是非、読んでみてくださいね。
5.まとめ
いかがでしたか。
今回ご紹介した味噌汁の本
土井善晴/土井光 共著の「お味噌知る。」
味噌汁の基本から応用まで。
レシピあり、お二人のコラムあり。
情報満載の一冊です。
ふだん、あまり料理はしないという人、味噌汁は飲まないという人も
興味を持って読めると思います。
忙しい毎日ですが「食べること」を大切にしたいです。
みなさん、映えない「地味メシ」でいいんですよ~。(笑)
出来上がった料理がいつでも手に入る時代ではありますが
とにかく「自分で」「自分のために」作ってみませんか?
こんにちは。管理人「えつ」です。毎朝、味噌汁を作って飲んでいます。
一番好きなのはジャガイモとワカメ…かな?そんな私が今回ご紹介
するのは味噌汁の本。人気料理家土井善晴さん土井光さんの共著、
「お味噌知る。」です。タイトルからすでにほっこりしますが…
味噌汁のイロハから応用編まで、楽しめる一冊です。